ユリイカ2008年12月臨時増刊号 総特集=初音ミク

今更ながら、本屋に転がっていたので読んでみた。
とくに細馬宏通氏の論考がおもしろかった。いやコミュニケーションの研究者の議論としておもしろいのかといわれると疑問なんだけど、日本語の音韻上の癖や表記上の癖の盲点を理解するための素材として、初音ミクの調教・調整というのは非常におもしろい。
はっきり言って初音ミクは音楽として好かないので避けているが、内部的な事情を知ると案外おもしろい世界であるにもかかわらず、嫌っていたために近づけなかった事実に気づかされた特集だった。
ちなみにワーストはまったく理解できない増田聡氏のperfme萌と有村氏の消費論でした。有村氏の絵はかわいらしいと思ったので、一番受け付けなかったのは増田氏なのかな。
目次等はユリイカ増刊号「初音ミク」特集 - G&G, Inc. blogユリイカ増刊号「初音ミク」特集 - G&G, Inc. blogを参考にしてください。


追記

ワーストにした理由は

  • 有村氏の場合、キャラの消費論という枠組みでありながら、示されるのが架空のキャラクターを介在したコミュニケーションの有り様であって、分析そのものとのミスマッチが起きていたこと。
  • 増田氏の場合、やっぱりperfume萌え語りがただただキモイもとい、増田的ミクをわかるために機能していなかったこと