コラーゲンの効用

理学部連中と
おれ「コラーゲンなんてアミノ酸に分解されて吸収されるんだから、コラーゲン喰ったって意味ネー」
女子「コラーゲンにならないペプチド喰うより意味あるんじゃないの」
おれ「誤差ちゃう?」
みたいな莫迦トークをしていたのだが、今日ちょっと涙目。

 コラーゲンは皮膚や軟骨などを構成するタンパク質の一つで、食物から摂取すると分解されて体内に吸収される。これまで個々のアミノ酸にまで分解して吸収されると考えられており、「肌に良い」のがコラーゲン本来の働きかどうかは不明だった。

 佐藤教授らは、人の実験で、ブタや魚のコラーゲンを食べると、コラーゲンに多いアミノ酸のヒドロキシプロリンプロリンが結びついたペプチド(アミノ酸化合物)が血中に長時間にわたって増えることを突き止めた。

 このペプチドの機能をマウスの皮膚細胞で調べたところ、ペプチドが再びコラーゲンになるのではなく、コラーゲンを作って傷を修復している皮膚の繊維芽細胞を傷の部分に呼び寄せるのを助けることが分かった

(強調は私)

高校の教科書を盲信していた点では福岡伸一と同レベルの思考力だ。

福岡教授「心理的な効果くらいは」 「コラーゲン鍋肌にいい」は真っ赤なウソ! OLに教えてやれ

 忘年会たけなわ。そして、鍋の季節。OLに人気なのがコラーゲン鍋だ。美肌にいい、ツルツルになる――なんていわれるが、実はコラーゲン鍋を食べたところで、美肌にはならない。食べるコラーゲンが直接、人体のコラーゲンの補給になるわけではないのである。ベストセラー作家で、分子生物学者の福岡伸一青山学院大教授がこう言う。

「コラーゲン鍋とは、鍋の中に鶏などのコラーゲンが豊富に含まれている鍋で、多くの女性が食べたコラーゲンが自分の肌のコラーゲン補給につながると信じています。しかし、食べたコラーゲンが肌のコラーゲンになるわけではない。普通のタンパク質として消化され、アミノ酸になるだけです。さらに、人間はコラーゲンが不足すると、イの一番にアミノ酸から補給される。別にコラーゲン鍋を食べなくても、普通の食生活を送っていれば、肌にコラーゲンは供給されるのです」

だとすると、コラーゲン鍋で美肌はウソか?

心理的な効果くらいはあるでしょうね。でも、これは薬に見立てたビタミン剤にもあるもので、その気になるだけの効果です」(福岡氏)  OLに教えてやったほうがいい。

まじで福岡氏業者に訴えられたら負ける可能性がでてきたんじゃね?

追記

2chまとめサイトにこんな突っ込みが入っていたようです。本文じゃなくて、まとめ記事に対するコメントね。

35. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月13日 18:22
コラーゲンは、ヒドロキシプロリンが消化酵素に対して抵抗性を持っているので、アミノ酸まで完全に分解されずに一部はペプチド断片となって吸収される。そのペプチド断片がコラーゲン生合成経路に働いて生合成が活性化される。その機構は解明されていないけど、in vivoでそういう結果は出てる。コラーゲンは単なるアミノ酸源として働いてるわけじゃないってのは正解だけど、効果がないってのは嘘。
プラセボ効果もあるかもわからんが。
しかもコラーゲンの構成アミノ酸の1/3を占めるグリシンってのも実は『睡眠の質を改善する』といった効果が発表されてるんだぜ。ちなみにグリシンは日持ち向上剤として使われているんだけどな。

日本人の科学リテラシーの無さにはがっかりだぜ。

39. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月13日 18:45
米35

> そのペプチド断片がコラーゲン生合成経路に働いて生合成が活性化される。
> その機構は解明されていないけど、in vivoでそういう結果は出てる。

アーチファクトを解消してから語れよ。
42. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月13日 19:02
米39

ごもっとも。
ただ、コラーゲンやコラーゲンペプチドを摂食すると結果としてコラーゲン生合成が活性化されるという事実はあるので、「コラーゲン摂食が肌に良いというのは嘘」は間違ってるということを言いたかっただけです。
肌にいいということは実はかなり前からわかっていたけど、そのメカニズムは依然不明で、以前はコラーゲン分解物がそのままアミノ酸源になるからというのが定説だったけど、ここ数年でそれは間違いでどうやらコラーゲンペプチドが関与しているんじゃないかというのが常識になっています。解明される日も遠くないんではないでしょうか。
未だにコラーゲンがアミノ酸源とかそうじゃないとかの議論が教授から出ることに唖然です。おそらく、記者が誤解して間違った記事を書いたんでしょう。


49. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月13日 19:32
> ここ数年でそれは間違いでどうやらコラーゲンペプチドが関与しているんじゃないかというのが常識になっています。
何処で常識になってるの?どうやって腸管から血管内にコラーゲンみたいなそんなでかい物が移行するんだ?しかもそんなでかい物が血管内にあったら詰まるだろうし、それを細胞がどうやって取り込んで使うんだ?胡散臭いよ。
ついでに言うとコラーゲンが足りていない人なら生合成が進んで肌が回復するかもしれんが、それだけのこと。元々劣化してたのが少し回復しただけ。普通に足りている人には無効だし、肌の若返りを期待しても無駄。高いコラーゲン摂取するのは金の無駄だし、余分な摂取は太る原因になるだけ。
52. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月13日 20:18
ほんとうにペプチドのままなら糖鎖修飾様の活性も期待できるのだろうけれども、脂質代謝系の場合は何かと不明な点が多い(かった)し、いづれにせよ、特定条件下のマウス代謝で再現した結果そのままを、直ちに人間でのそれに連想して適用するのは早計だろう。

なのでコラーゲンが主因子になるかどうかは現状では「どちらとも言い切れない」が正着。


53. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月13日 20:29
>※49
コラーゲンが血管内に移行するなんていってないぜ。コラーゲンが分解された重合度の小さいコラーゲンペプチドだ。血管内にペプチドが吸収されるなんて当たり前のことだし、現にオリゴペプチドを利用した高血圧予防のトクホだってあるじゃん。
>高いコラーゲン摂取するのは金の無駄だし、余分な摂取は太る原因になるだけ。
これには同意するが、肌の老化ってのはエイジングにともなって皮膚の生合成系が正常ではなくなるからおこるわけで、年とった人には有効なんじゃね?
つーかこの記事書いた記者はスイーツどもに雑学しゃべって博識なんだねってイメージ植えつけてモテようぜって意図で書いたのかしら。
85. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月14日 01:39
ほんとに医学生

農芸化学専攻だけどコラーゲンはアミノ酸までは分解されないって講義で言ってたぜ

96. Posted by 名無しクオリティ 2008年12月14日 04:28
とりあえずマジレス。
コラーゲンペプチドがコラーゲン合成を活性化するのはあり得る話。
基本的には、コラーゲンが分解されてコラーゲンペプチドが出たと錯覚して、分解されたはずのコラーゲンを補おうとするということ。この手のフィードバックは良くあることなので、今でも研究してんでしょ。
でも摂取したコラーゲンまたはコラーゲンペプチドがコラーゲン合成の材料になるのは証拠なし。
コラーゲン中のヒドロキシプロリン(アミノ酸の一種)は、現在知られているコラーゲン合成に使われないので、コラーゲンだけ食べてもコラーゲン合成の材料はそろわない。どちらかというとビタミンCをとるほうが理にかなっている。
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51239486.html