山下流の「ルーマンの自己言及」がわかりません

山下先生のところで理解できない箇所があったので質問したら怒られた。

山下先生の御著書は未読ですが、私はルーマンの議論は構造-作動一元論であると理解しています。だとすると、その論理的な正しさや議論構築の使いやすさはともかく、
>構成素の産出が基礎づけ関係によって連鎖している
時点が
>産出プロセスのネットワーク状連鎖が閉域を形成していない時点
であるというのは、どうなのでしょう。

http://blogs.dion.ne.jp/autopoiesis/archives/6271042.html#comments

という質問をしたわけだけど、山下本20回読んでから出直せde-blogから叱責が。

しかしですね、私には

  1. 構成素の産出が基礎づけ関係によって連鎖している時点
  2. 産出プロセスのネットワーク状連鎖が閉域を形成していない時点

が両立する時点が存在するというのがどうにも分かりません。

私の理解するところのルーマンオートポイエーシス(構造-作動一元論)とは、山下先生の言葉で言えば「基礎づけ関係」という構造と、「産出プロセスの連鎖」という作動によって「構成素」が現れてくるとき、基礎づけ関係がその作動の同一性を保証するが故に閉域も同時に形成するので、オートポイエーシスが成立するというものです。だとすると1と2は同時に成立しませんかしないのではないですか?

したがって、ネットワーク状連鎖による閉域が成立されない時点での自己言及は成立しない、というのがわからないので、先の質問で「どうなんだ」と書いたわけです。

つまり

  • ネットワーク状連鎖と構成素の産出の連鎖を同一視している
  • 基礎付け関係と閉域形成を同一視している

という立場です。この立場では

  • 構成素の産出が基礎づけ関係によって連鎖している時点

は同時に、

  • 産出プロセスのネットワーク状連鎖が閉域を形成している時点

でもあるのです。

あらためて質問を言い換えると、
山下先生の議論は、ネットワーク状連鎖による閉域形成が外部から観察されるときにオートポイエーシスが成立するという議論であると私は読みましたが、
私の誤解が多い箇所なので、この部分は10/6に改めて書きます

  • そもそも閉域形成するかどうかは基礎付け関係に依存していませんか?
  • ルーマンはそういった基礎付け関係を自己言及と定義していませんか?
  • ネットワーク上連鎖というのはどういうことでしょうか?

の三点が質問です。

なお、山下本は既にamazonに発注済・未着なので「続きは本で(何ページ)」でも構いません。