本の値段

★ことあるごとに言ってるけれども、単行本の世界は高額化と低価格化が同時に進行し、二極分化がなされていくのではないかと思っている。内容のしっかりした専門的な本は3000円でも買う人は買うし、逆に読み捨て娯楽的な、あるいは1テーマ勝負な本は800円以下の新書や文庫といった低価格路線にシフトしていく。間にある、1500円前後の「よくある」単行本の価格帯が、一番中途半端でヤバイ。

高いって4000円からだと思っていた。ネット界隈で人気があるこの価格帯の本と言えば、

とかがある。3000円台なら
利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

だろうか。個人的な見解としては、800-1000円前後の軽い新書(講談社学術文庫や岩波など含む)、2000円の専門家による学術エッセイ的な網羅的な文献情報がなくてもいい単行本及び新刊の文芸書、3000円の専門書という分類が一番いい。それ以上の価格帯なら分冊して、その分気合いを入れてくれと思う。
1500円くらいのお手軽な糞みたいな本はいらない。
最近読んだ比較的安めの専門書の中では

ヒトはどのようにしてつくられたか (シリーズ ヒトの科学 1)

ヒトはどのようにしてつくられたか (シリーズ ヒトの科学 1)

が軽めだけれど、密度の詰まった話が展開されていて良かった。包装の勝利かもしれないが、この後に続く本に期待できる。なにしろこのシリーズヒトの科学佐々木正人大澤真幸が編集している。
似たようなテーマを扱った新書

人類進化の700万年 (講談社現代新書)

人類進化の700万年 (講談社現代新書)

もよくまとまった良書だが、専門家でない分新しいアイデアが見られないので物足りなさがあった。まとめるだけならブロガーだって出来るのだ。