腰の扱い1

id:finalvent:20050625
ほとんどの日本人*1は前傾で歩く癖があるので、腰の話をする前に姿勢を正す必要があるのではないかと思う。
どういうことかというと、鋤や鍬を振るうときの姿勢というものに近いあり方で動いているので、傍目には頭の重さを利用して、前進しているようにしか見えない。つまりお尻の筋肉で体を押し出すのではなく、重心が前にあるせいで、倒れないように脚を前に運んで支えるということを繰り返すことで動く人が多い。ちなみにお年を召した方は、脚を振り上げる遠心力で体が前に倒れて結果として前進するという形だ。
そんな馬鹿なと思う方が多いだろうが、チョウ閑なバイトをしているときに観察した結果なので信用して欲しい。ただ、上述のままだと、なぜ農作業に従事したわけでもない自分が、鍬を振るったような姿勢と言われないといけないのだと思うかもしれないが、実は農作業の経験と言うよりも、単純に姿勢を注意するという経験が欠けているせいなのではないかと思う。別に日本人のDNAがそれを強制しているからではない。
じゃあ何が問題なんであろうか。問題は二つある。肩の位置と腹筋の強さだ。
ほとんどの人はよほど躾られない限り、どうしても肩が前方にせり出してしまいがちである。これは仕方ないことのように思う。なにせ人間といえど、ナックルウォークの類人猿から進化した生き物であり、肩が前にあるのが当たり前だ。じゃあどうすればいいのか?といえば、常に正座の時の肩の位置を意識するればいいだけだ。男性は正座の時、足の付け根に手を置く。そのときに、肩をいからせず、なるべく楽な状態のまま、肩を後ろに回せば楽な姿勢は完成する、このときの肩の位置がわかれば、立っているときでもあるべき肩の位置が分かるはずだ。*2
ではなぜ肩なのか?
それは肩の位置が正しく後ろにない限り、首の位置がどうしても前方にせりだしてしまうからだ。結果前傾になる。逆に肩が後ろに回されていれば、首を前に出そうとすると首の皮が後ろに引っ張られて前傾自体が難しくなる。結果首筋・肩の落ち着き両方が綺麗になり、姿勢の半分がクリアされる。
この姿勢のメリットは手提げ鞄を持ったときに実感されると思う。思い鞄を持つと我々はどうしても持っている肩が上がりがちだ。上述のような肩を後ろに回すやり方だと、鞄の重さを体幹全体で支えることになるので肩が上がらなくなる。従って多少思いものを持ってもスーツ姿が乱れない。逆にリュックなどで思いものを持つと、頭の重さで荷物の重さを支えることになるので、どうしても姿勢が汚くなる。これは片っ方で背負おうが*3両方で背負おうが一緒で、絶対的にシルエットが崩れるし、スーツにも負担がかかる。
とまあ腰の話が肩の話ばっかになっているがこれには理由がある。
腰が安定しているかどうかというのは普通肩で判断するものだからだ。
肩がしっかり背中に回されて、固定されていると体幹全体が落ち着いているように見え、さらには背中を反らなくても胸が強調されるので、威張っているように見られず自信があるかのように見て貰えるようになる。後ろからも首筋が綺麗に見えてセクシーだ。そして一番重要なのは、肩が後ろにあるために重心が後ろにずれるわけだが、首で調節するわけにもいかない(首の皮が引っ張られる)ので腰が前に出る。
これが非常に重要なポイントになるのだ。
だが、このままでは腰が出るだけではなく腹が出るばかりでは?
それについては次回に続く。

*1:ちなみに欧米人の場合は運動音痴のみが該当する

*2:欧米人だと立ってステッキや傘を上品についていると、これに近い肩の扱いになる

*3:鞄の斜めがけは少し違うけどね、あまり見ないし