自給率の怪

極東ブログ: 40%と低迷していた日本の食料自給率が70%まで改善したのでお目出度いを読んで。
新聞各社の自給率に対する論調が近年の物をカロリーベースでとらえ、以前のものについては金額ベースで捉えているという指摘に笑ってしまったわけだが、この自給率という物はかなりややこしい数字からなっているので、適当に調べたら勘違いするのも仕方ないと思う。極東ブログでも指摘されたけれども、畜産物の自給率は飼料のカロリーも含まれるとかかなりお笑いな基準が使われている。平成15年のデータだが、

畜産物のカロリーベースの自給率(平成15年度)
品目品目別自給率×飼料自給率= カロリー自給率
牛肉3926.2 10
豚肉539.7 5
鶏肉67 9.7 7
鶏卵969.7 9
牛乳・乳製品6942.3 29

一方目標値として次の数字が挙げられている

食料自給率の目標
平成9年度平成13年度平成14年度
(概算)
平成22年度
(すう勢)
平成22年度
(目標)
食料自給率
(カロリーベース)
4140403845
主食用穀物
自給率
6260615962
飼料用を含む
穀物全体の自給率
2828282730
飼料自給率2525242735

これを見る限り、政府はカロリーベース食糧自給率を飼料自給率の向上によって達成しようとしていることが分かる。なんだかなー。牛肉はアメリカからの輸入が減ってかなり変化してそうだけど、将来的にどうなるか分かりにくい印象。鶏肉も鳥インフルエンザの影響もあるかもしれないけどそこら辺はどうなのだろう。
しかし露骨に豚肉の輸入量が増えているのがhttp://www.kanbou.maff.go.jp/www/jki/monthly/mo0502.pdfから伺われるのだが、やはり豚丼のせい?

さて穀物自給率が低いのと米の自給率が94%で推移しているのが少し気になる。現状の海外から多くの食品を輸入している現状は仕方のないことだし、国産品至上主義でもないので気にとめてはいないのだけれど、かなりきつい生産調整をしているなと感じる。罰則事項が今でもあるのか、自主流通米が増えているのかどうなのだろう。また、日本酒や米焼酎用のお米の扱いはここに含まれるのだろうか。