日本人は信仰心が足りない

「死んだ人、生き返る」小中学生の15%…長崎県調査
「死んだ人、生き返る」小中学生の15%…長崎県調査
「死者生き返る」2割 小中高生意識調査 理由の半数「何となく」
日本は仏教国である。もちろん神道の伝統も息づいているが今回はそこに関連した話題ではないので、とりあえずは仏教の論理に従って書く。仏典によれば我々は六道輪廻における人界を生きる民であり、現世の行いによって解脱し、成仏することが出来るか、もしくは転生することによって六道のどれかに舞い戻ることもあるだろう。
したがって生き返るということはごく当たり前のことである。この読売の記事には県教委は「子供たちは生死に直接、接する機会が減り、様々な情報の影響を受けている」としているがこれは明らかに誤りで、生き返ると答えた子供は生死を見つける機会が多く、かつ仏教の教えによく触れていると考えるのが妥当だ。したがって問題は15%しか仏教の教えを理解していないことであり、85%の子供達は親や祖父母の代と生死について語り合うことをしない、コミュニケーション不全なのだ。それを県教委は全くの皮相的に生死に触れていないなどとトンチンカンな分析をするのだ。

そもそも調査における生き返り、死、生の定義が不明であり、おそらく多くの生徒は非常に悩んだ末に、このような回答をしたのだろう。

と書いておいて輪廻 - Wikipediaを読んで、確かに仏典の輪廻は方便だったことを思い出した。まぁ説教では確実に輪廻を前提にした教訓が多いから、仏教の影響という駄法螺もそのままいけそうだから上のままにしておく。

それにしても選択肢としてゲームでリセットできるからっていうのは意味が分からないのだけれどどうなんだろう?

追記

大本のデータを見つけた(児童生徒の「生と死」のイメージに関する意識調査について
)のでそれに併せてネタを膨らませてみる。ていうかまじめな話、オレの予想が正しかったのが逆に驚きだ

初稿において信心深さに焦点を当てた推測は正しかったことが伺えた。特に方便とは言え輪廻を信じている生徒が多いようである。

  • 祈れば人は生き返ると思うから
  • 良いことをしたら生き返ると思うから
  • 肉体はなくても心は残っていて、別の物として生まれ変わると思うから。
  • 前世や来世があると信じているから
  • 霊は死んでないと思うから
  • 霊が出てくるから
  • 人は死んでも心の中で生きていると思うから
  • 人が死んでも他の生物に生まれ変わると思うから

安直にテレビゲームの影響と言うよりも、素朴な日本人の死生観だと考えられるのになぜ、教育委員会はこのような子供達の率直な自然観を認められないのだろうか。たかだか36人の選択肢自体が意味不明な子を殊更取り上げるのはおかしいとしか言いようがない。
ていうか中学生だと心停止後の蘇生を生返りに含めていたりするので油断ならない。
あと、とりあえずパーセントで都市部、その他、離島部とか分けて比較するのだけれど、有意差全くないんではないだろうか。このレポートまとめた人間のおつむの方がよっぽど問題だ。