オリンピックの競技

そもそも、世界選手権や、既にプロスポーツとして存在する種目を オリンピックで競わせる必要が何処にあるか。職業として、行う選手には、それに見合う、報われる場所があるではないか。

中略

プロが金メダルを取ったところで、国威発揚の一翼を担わせようなんて、前近代的な異物みたいなものだ。ベースが同じでないものを競わせて勝っても、素人がボクサーと喧嘩するみたいなもので、しらけるはなしではないか。物事には、潮時と原点がある。それを大事にしたい。

プロスポーツはともかく世界選手権はほとんどのスポーツであるわけだが。そもそもオリンピックはもっとも権威ある世界選手権であるだけで、他に世界選手権があるからと言ってなくてもいいわけではない。ワールドシリーズという概念を知らないのか?
また、サッカーについてはワールドカップの方が国別対抗としては格が上だし、トヨタカップの方が試合のレベルは上である。五輪はあくまでU15とかU20とかの年齢ごとクラスの位置づけになっているだけである。
また、陸上競技にしてもスポンサーから多額のお金を得ているわけだし、実業団の選手は確かに企業人として働いているのは確かだが、まさにその業務の一環として各種スポーツがされているというのを知らないのか?そもそも学生であっても例えばJOC公式スポンサーのキャラクター的な扱いになっている現状をどう考えているのか。
結局この記者は日本の国威発揚という行為に対して嫌悪感を示しているだけだが、多くの国において全ての競技がそのように機能していて、どちらかというと日本の場合競技ごとの人気や力の入れ方の偏りがあったりする分その傾向が薄いということに全く気付いていない。
さらにはスポーツのファンとしての視点も不十分で、ボクシングの例で行けば、団体が違うために統一チャンピオンが決まらないのを国別と言うことで括りなおして見せてくれるなら、大歓迎という人も多いだろう*1。スポーツ好きとしては確かに野球やソフトボール、テコンドーのように、(一部地域以外で)マイナーなスポーツが長時間テレビの放映を占領したりするのはどうかと思うが。
きちんとIOCの腐敗に焦点を絞った記事になっていればよかったのだが、市民とかいう言葉に拘ったせいでぐだぐだなコラムになった印象を受ける

*1:もちろんプロボクサーがオリンピック期間という短い間に何試合もしていいと思ってくれるかという疑問があるが