ブックスキャンの商売って結局何ナノさ

BOOKSCANってそんな立派な業者なの?: マンガ家Sのブログを読んでいて、議論の根源がわかった。

だが、それは「私的複製」の範囲内で本の所有者自身がやることのみが認められているのだ。
著作権者の許可を取らずに業者が代行するのは違法である。
個人が買った本をその個人が楽しむために複製する。
これは著作者にとって何の損もない。
だが、業者がからめば、その業者は他人の著作物を利用してお金を稼ぐことになる。
これは不正な二次使用である。著作権法違反だ。

ましてや、デジタルデータに変換するとなれば、業者は他人が買った著作物を黙ってデータとしてため込むことも物理的に可能である。
もちろん、違法だ。
もし、それをさらに売って商売したりすれば、もっと悪質。

(強調は私)
コピー代行業者による型変換作業が著作者なり、出版社の独占権と抵触していると主張していることがわかった。これはおおいに誤解としか言いようがない。代行業者が行っていることのもっとも相応しい比喩は、修復師が額を交換することやクリーニングの手間賃をとることになるだろう。
強調した文の後は、そのことを指して贋作をうむ土壌を作り出すと言い出しているようにしか見えない。反感を買って然るべきだ。

もし、私が著作権保持者ならば、複製後に原本の廃棄を証明することを義務付けることを要求するし、それは違法な流通を防ぐためには必要なことだと思う。しかし額縁の交換は独占契約を結んだ画商、──それが育ててくれたパトロンであったとしても、にしか認められない。するのなら購入者自身がやるべきというのは暴論である。書物以外の芸術品は、二次利用が認められているのだから。

もちろん現行の法律は改正する必要があるとは言え。