読書前の予備知識 ハチはなぜ大量死したのか

J-CASTニュース : ミツバチはどこへ消えた? 受粉進まず農家に大打撃を読んで、日本でもハチの大量死が起きているのかと驚いた。

記事の中でミツバチ不足の原因を

  1. ニコチロイド系農薬
  2. ヘギイタダニ
  3. 女王蜂の輸入停止措置

をあげている。3つ目はJ-castだと11月からの問題のようだが、日本農業新聞の記事:ミツバチ不足/生産資材の自給目指せによると、昨年5月には問題が明らかになっていたようだ。私自身は、施設農家で使っている受粉用のハチはセイヨウマルハナコバチだと思い込んでいたので、ミツバチの女王不足と言う記事にびっくりして己れの不明を恥じた。*1

ヘギイタダニに関しては、まったく予備知識がなかったので検索したところ、

このダニは東洋バチ(日本バチはこの一種)には古来より認められたが、西洋バチには一切認められてこなかった。ダニは東洋バチ、日本バチにはいても、西洋バチにはいないのが長い間の常識でした。

東洋バチは進化の過程で、このダニに対する抵抗力を身につけてしまったため、巣の中に認められても殆ど増殖することはなく、働き蜂や女王蜂には全く寄り付くことも出来なくなり、被害を与えることも皆無な状況にあります。但し、細々と、東洋バチの巣の中で生きながらえていました。

このダニが西洋バチの巣に迷入してしまった。進入経路は東洋バチの巣に溜まった蜜の盗蜜に入った西洋バチが、ダニを付けて巣箱に戻ったことが原因と考えます。このダニに対する西洋バチの抵抗性はなく、ハチの幼虫や蛹を餌にしてダニは急速に大増殖し、働き蜂や女王蜂に付着して吸血するため死滅する被害が急増しています。

(中略)
ダニ汚染は米国、日本、ニュージランドを始めとして世界全体に広まっています。

http://www.geocities.jp/sizenyasai07/bee/japanesebee.htm

という記事を読んで合点がいった。養蜂が容易なセイヨウミツバチでおきる問題が世界的に起きているようだ。

さてJ-castが一番最初にあげたニコチノイド系の問題である。検索したところ次の書籍がヒットして憤死した。

悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の夏」

悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の夏」

出版社からの情報によると

出版社/著者からの内容紹介
中国産の毒入りギョーザ事件以降、"農薬まみれ"の中国産食品を買控えする人が増え、国内産、特に有機農作物への信頼が高まっています。しかし、悲しいかな、その"国内産絶対性"は単なる幻想と考えざるを得ない、驚愕の事実が発覚したのです!
本書で告発する農薬「ネオニコチノイド」は、すでに農業大国フランスをはじめヨーロッパ各国で相次いで使用中止命令が出されているにもかかわらず、日本で一番使用されています。使用量も中国のなんと100倍! 毒性は青酸カリと同程度の化学合成農薬......。
「一刻も早く中止させないと、第二のアスベストになりかねない!」と思い立ち、消費者目線で闘うジャーナリストが綿密な取材を進め、筆を執ったのが本書です。この「ネオニコチノイド」の本当の恐ろしさは、次のようなことにあります。
◆無味無臭で、半径4kmに拡散(通常の農薬はせいぜい100m)⇒国内の有機栽培農家で被害が発生。
水溶性があるから、洗っても落とせない!⇒毒たっぷりの水を吸った作物を食べた人間は......。
◆"環境指標生物"ミツバチの大量死の主因とされる!⇒植物の受粉を担うミツバチの大量死は食物連鎖の崩壊を招き、食糧高騰が深刻化......。
◆農業大国フランスは使用禁止判決! 日本ではなぜか野放し状態の不可解な事実!⇒フランス最高裁は、ミツバチ大量死の原因をネオニコチノイドと断定。日本では次世代農薬として、一番使われている(農家が使わざるを得ない!)裏に隠された闇......。
◆毒性の恐ろしさは、「神経毒」にアリ!⇒うつ病、自殺、引きこもり、凶悪犯罪の可能性が......。
「食の安全の崩壊」「食糧高騰」「自給率低下」など、日本国内の「食」と「農」の深刻な問題がますます表面化してきた今、本書では、地道な取材を通して見いだしたネオニコチノイドの危険性と、消費者にとっての「食の安全」のあり方を徹底的に追求しています。食の安全は、消費者一人ひとりの声から生まれます。

(強調は私)
さすが買ってはいけない (『週刊金曜日』ブックレット)の編者という内容。

一読しただけで、出来の悪いアジテーションなのがわかる。これ読んでも信頼のできる情報を身につけられないだろう。別の情報源が必要だろうということで探したところ、ネオニコチノイド(クロロニコチニル)が信頼できそうだった。
ネオニコチノイド系農薬の要点をまとめると、

なお、ヨーロッパのネオニコチノイド系農薬の新着情報はid:umeyamaさんと農薬ネットの掲示板内の★ミツバチの話題が参考になる。


これくらい予備知識があれば、

ハチはなぜ大量死したのか

ハチはなぜ大量死したのか

をちゃんと読めるだろう。でもベンジャミンの「ハチのいない世界A World Without Bees」も読みたいな。

*1:外来種問題もあるのでマルハナコバチ問題は後で調べないといけない。