研究は何したっていい
霊魂の存在に関する学術的研究(上)を読んで。
この記事の面白いところは、両大学がどのようなアプローチで霊魂を研究しているのか全くもって不明であるところだ。いや、正確に言えば一例として『ヒューマン・エネルギー・システム研究所』という無難な名前の施設で、研究者が霊能者を介して死者にさかんに質問を行なっている。
という話もあるが、死体に聞いているのか、死者の霊魂に聞いているのかよく分からない。訳者のユーモアなのだろうか。
しかし、国立の大学が霊魂の存在証明という下らないことに税金を浪費していることを告発するだけなら、前後編に分ける必要はなく、論文数や成果についての問題点を指摘するだけでいいだろう。
だが、著者のRandy Dotingaは例の21gの話や、アメリカで未だに霊魂の存在を取り扱った映画が人気を集めていることに触れつつ、超心理学研究の妥当性について確信を持っているようだ。
また輪廻について触れたりと、ニューサイエンス系の事象に興味があるような書き方で、どうもシンパシーを感じているような口ぶりである。
個人的には魂の存在がどのような形で証明されようが問題ないと思うので、アメリカ人が好きにやればよいと思う。ただし、どう考えても科学的な研究をやっているようには思えないんだけどね。