自己責任もしくは自業自得論

今回の件に関しても同じことが言える。もし誘拐されたのが「サヨク」ではなく、視察中の与党政治家だったら、誰も「自己責任」は問わなかっただろう。海外旅行を楽しむOLもボランティア活動に熱心な「サヨク」も、保守的と呼ばれるひとにとっては「何となく気に喰わない連中」である。われわれは「何となく気に喰わない連中」が何かやらかすのを、じつは心の奥底では期待している。嫌いな同僚、無能な同僚が病に倒れたとき、「病気になるのは本人の自己責任だ」と思ったことのあるひとは多いはずだ。「自己責任」は彼らを批難し、やりこめるための、判りやすいが無内容なタームとして、あまりにも安直に多用されているのではないか。

問題にされているのはあくまで政府が入国を警告していた地域に進んで入り、まさに政府が恐れていた事態を引き起こしたことにあるのではないでしょうか。
鈴木芳樹氏はあくまでサヨクであることが今回のバッシングに繋がったと指摘していますが、現実問題として政治家の場合SPなり自衛官なりが護衛がついての視察という公務なのであろうから、自己責任論自体が的はずれで、(一部の)自衛隊派遣反対論のように「そんな危険地域になぜ派遣した」的な議論がなされるかと思います。逆にわざわざ行ったことを人気取りが裏目に出たとサヨクの方面からも叩かれることになる可能性もあります。
では仮にウヨクの青年だったらどうなったでしょうか。同様な議論がなされたと私は思いますが正直予想がつきません。ただ危険地域にわざわざ行くことを「侍精神」といった持ち上げ方をされたのかもしれませんが、そんなに行きたいなら自衛隊にはいっとけばよかったなと煽られるのではないでしょうか?
2chを含めウェブ上で彼ら3人にへのバッシングが行われている理由の大半は、彼らの家族が危険地域に自分で行った身内の責任を考えずに、自衛隊を撤退させればことが解決するという見通しの甘さ、ご都合主義的なもの、もしくは身勝手さを感じてしまうからではないでしょうか。自衛隊が撤退することによる費用だけでなく、それがもたらす政治的な問題を考えるときに正直ぞっとします。今のイラクでは悪くすると内乱によるさらなる虐殺が起きる可能性もあるので。もちろんここでいう虐殺とは米軍によるものではなくイラク人同士の内戦での話です。
ただ三人がサヨクであったことが2ch的なツボだったとは思います。どこで読んだか忘れましたが、ネット上特に匿名掲示板では普段口にすることの出来ない攻撃的な意見をたやすく言うことが出来るらしく、普段なら黙っているであろう右傾化した意見が簡単にしやすいので、左翼的平和主義的な彼らに攻撃の矛先が行くのも、是非はともかく現状仕方のないことです。
生卵をぶつけるオフなども企画されているようなのであまり2chの肩を持ちたくないですが

ところで自衛隊は撤退するべきではない」という一節には、どこかしら釈然としないものを覚えるのだが。と言ってますが浅田彰氏はイラク人質問題をめぐる緊急発言 でそんなことを言ってないのですから誤読かと
自衛隊は撤退するべきではないというのは読冊日記2004年4月10日(土)の内容にありました。僕の誤読のようです当該箇所を訂正されているのでどういったコメントかはわかりにくいですが