性の認知

asahi.com: 求愛の相手性、遺伝子が決めていた ハエで確認 - 社会
記事のカテゴリーが社会であることに、asahi.comのユーモアを感じるのだが、ホゲな話だ。一見遺伝子決定論に見えるが、よく読むと今までも知られてきたように、脳の神経の配列が行動に関与するというごくごく普通の話なのだ。これは人間でも同一性障害などで脳の構造自体が、本来性染色体から予想されるものと異なっている人に確かめられている話。
また、この記事のわかりにくさは、タイトルに含まれている相手性に依存するのではないだろうか。注目エントリーで見つけたときは、てっきりsexではなく、charctererのことだと思ってしまった。科学論文では確かに、何の種についてや地域についての情報は一番最後にat hogeやin fugaと書くのが一般的だが、日本語で読むと意味がおかしくなる。
本来ならば、「ハエの性認知遺伝子が解明。求愛行動に影響」といったあたりになるべき。もちろん行動に直接影響を与える遺伝子が明らかになったのは、重要な発見だからネイチャーに載るのも納得だが、もう少しきちんと書いて頂けないものか。

追記

東京大学教養学部立花隆ゼミに詳しい説明があった。fruit flies and genes (2nd lecture)

不妊遺伝子であるsatori/fruitelessが、神経系の発現にどう影響を及ぼすのかということが、今回の目玉であるようだ。

受け狙いの安直な記事でなく、しっかり取材していただきたい