タグ付け再考

ここ三日ほどウェブ非依存な環境にいたのだが*1、タグ付けに関して思いついたところがあった。
前回id:nabeso:20050615は無意味でもタグを付けろという結論を出したのだが、今回どんなタグを付けたらいいのかを掘り下げる。
ソーシャルブックマークの目的は、良記事に対してリンクを貼り付けることで、そのページのページランクをあげ、結果的にウェブ全体の意味づけを人力によってしようという試みだ。相互行為研究の人としては、それで意味なんか出来るのかよと思ったりするのだが、そこら辺はどうでもよい。所詮現在のウェブにおいて検索エンジンの表示結果の上位であることが、検索する側にとっての意味であるし。
つまりソーシャルブックマークというのは実質的に、外部者によるSEOなのだ。何を当たり前のことを言うのだと思うかもしれないが、これは非常に重要なことだ。もちろんそれ以外にも、自前のパソコン意外からも情報にアクセスしやすくするための、個人的なブックマークとしても機能しているし、瞬間的な人気の記事の所在を明らかにするいわゆる2chのニュース板のような側面もある。
ではSEO的であるということをさらに踏み込んで考えてみよう。
われわれは検索エンジンである事柄についての記事を探すときに、どのようなキーワードを利用するだろうか。
簡単に言って海外の記事と日本の記事では全く異なるキーワードを利用するハズだ。求める記事の言語をキーワードとして検索するに決まっている。もちろんそうでないこともある。例えばPhotoshopについて検索するならば、「Photoshop layer」で検索しつつ日本語の記事を求めることもあるだろう。しかし言語を指定した記事検索ならgoogleの機能を使えば出来る問題なので、この例ではlayerがレイヤーかという問題でしかない。
けれども、もし著作権、しかもDRM音楽配信問題について知りたいときにどんな検索キーワードが適当かと考えるならば、当然のように「iPod 音楽配信 著作権*2で検索するのが常識的な人間のする行為だ。
もちろん海外のレッシグ教授の見解を知りたいなら別に「iPod DMCA copyright music distribution Lessig」で検索しても当然の話だ。
つまり私の主張は、タグ付けはその記事を自分で検索したいときに利用するだろうキーワードを選択することが、SEO的に正しいと言うことになる。もちろん[hoge]というタグから直接[hoge]が含まれるリンクが記事にないる分けではない。
しかしはてなブックマークの場合、Aというページについてのブックマークは、個々のユーザーのブックマークからと、その記事についてのコメント・タグが列挙されたページからリンクが貼られる。したがって、SEOでいうところのキーワードの最適化が行われた場合、ページAは[hoge]という内容について触れられた、重要なページからリンクされていることになる。
もし、ページAの内容が[hage]なのに[hoge]でタグ付けをしてしまったら*3ブックマークの意味が半減されてしまうことになる。

結論

というわけでなるべく、検索するときどんな語を用いるかをよく考えてタグ付けをすることが、フォークソノミー的に重要です

言訳

とか言いつつ、自分のブックマークnabesoの底抜け鍋は英語タグばかり。
実は何故こんなタグにしたのかというと、[を入力した後にIMEをonにするのがだるく、そのまま入力支援スクリプトを利用したタグ付けをする方が便利だったという事情がある。
しかしこのエントリーで触れたように明らかに、日本語の記事を英語で検索するわけがない以上不適切な行為だ。
そんなわけで、はてなアイデアというアイデアと連携する形でこのエントリーを書いた。
migemoというのは知らない人もいるかもしれないけれど、ローマ字入力で日本語の文章をインクリメンタルサーチする機能で、unixユーザーにはお馴染みの機能。
[の後にIMEに触れることなく、日本語タグを補完してくれたらもっと日本語タグが普及すると思うので。

さらに

以前のブックマークのタグのほとんどは、日本語タグばっかだった気がする。しかしどこかのアルファギークが使い出したのか、ここしばらく英語タグだらけ。もちろん郵政問題などのタグは日本語だが。。
まるで会話場のリーダーに引きずられる形で、声の高さや話し方が似てくるように、タグ付けの変遷が起きることに非常におもしろみを感じた。
おそらくウェブ上における相互行為の重要なデータになるので、はてなにはどんなタグが利用されているのか是非データを残して、いただきたい

*1:携帯メールだって読んでない!

*2:iPodについてはゴニョゴニョ

*3:ここでは日本語のhage=英語のhoge