きいちご

制作者側からすれば聞くに堪えない批評ばかりだが、ここまでズバリ辛口意見が掲載されると読者には新鮮な印象を与える。常に社会の問題点、矛盾点を見逃さない姿勢の週刊文春ならではの企画だ。

この記事のライターはそんなに週刊文春を持ち上げてどうするんだろう?しかもこの記事が出たのは対象の1/27号が店頭から取除かれた後ってのもいやらしい。
ちなみに/.jpによると

  1. デビルマン
  2. CASSHERN
  3. 海猫
  4. ハウルの動く城
  5. ヴィレッジ
  6. ゴジラ Final Wars
  7. サンダーバード
  8. 2046
  9. キューティーハニー
  10. リディック
(8位以下は同率で3本)

と言うことらしい。前述の通りなので記事自体読んでないのだが、二十人しかいないレヴュアーとトップ10を見る限り、映画をあまり見ていない人間が投票したのではないかという気がしてくる。上がっている作品は比較的CMによって宣伝が行われ知名度が十分にあるものばかりだ。そういったものしか見ていない評論家を選んだのか、そういった物をターゲットにすることで賞自体の知名度を上げようとしたのかという疑念が付きまとう。
正直ハウルの声優が大根、脚本が腐ってるというものはほぼ全ての宮崎作品に当てはまるものだし、宮崎作品の真価は映像美と言うことを分かっているのだろうか。
個人的にはイノセンスが入ってないだけで、この評価があり得ない。

イノセンスは大好きだし、映像の作り込み、主役二人の演技、脚本の完成度などそれなりによくできた映画なのだが、それを超えたところに絶対的にやっちゃった感がどうしようもなく漂っているという押井守作品にありがちな欠点があるのだ。

ダサイ引用ってのがよく槍玉に挙がるが、あれはかなり作品における世界設定とそれに引きずられる人物像を描く上に必要なことなのであんまり問題ではない。なんというか一般に流通させてはいけないインディーズ作品なんだな。

説教臭さと言うよりも、説教することに悩んでいるような奴が悩んでいることを隠すことも出来ずに説教しようとすることを見ることによる苦痛がおそらくその正体なのだろう。かなりメタ的なレベルで解釈しないと相当しんどい造りなのだ。