槇ようこ『愛してるぜベイベ★★』

友人の薦めに従って既刊4巻読んでみたので感想を。
方々で指摘されているようにゆずゆのキャラクターにヲタク向けのオーラを強く感じた。アニメ化はヲタク人気をみて決めたのであろう。
で、面白いので読み進めていったが、三巻目あたりから急に違和感を覚え出した。
まず初回の弁当話などは良くできているように感じたが、それ以降トラブルのほとんどが周囲の異常者の襲来によって語られることが非常に不満なのだ。ただでさえ、男子高校生が子守をするのは大変なのに、というかここに幾らでも面白い話はあるだろうがと言いたい。
しかも保育園に六時くらいまで預けておけばいいところを、ほぼ四時過ぎくらいに迎えに行く(行かないといけない幼稚園なのはどういった了見だ。送迎バスはないのか)という、トラブルを加速させるような設定にも関わらず「災いはいつも外から」とはどういったことなのかと。
次に主人公の家族構成の説得力のなさがあげられる。基本的に大家族なのはいいのだが、それぞれの個性を掘り下げることもなくただいるだけの存在であることが非常に不満。主人公の性格がこの家族によるものだとすると、非常に幸せな恵まれた家庭と言うことになるのだろうが、ならば主人公が幼児を世話をする必要はないはずである。(激しく飛躍しているが気にしない)。
ぶっちゃけ正直なところ姉以外はいなくてもいい。母親を死別させて父親を海外出張にしておけば問題ない。もしくは異常に影の薄いことを強調するか。当然祖父母は別居。弟はいてもいいが、傍観者が過ぎるからいないほうがキャラを混乱しなくて済む。この程度しないと育ち盛りの高校生が子育てする必要が理解できない。第一話の女の子の話は全くもって説得力がないのである。
さて、かなり酷くこき下ろしたが面白いことは面白いのでこれからの掘り下げに期待する。とくに無駄口5人組の料理に期待したい