若冲と応挙

プライスコレクション 若冲と江戸絵画展
今週末までであることに気づいて京都国立現代美術館に行って来ました。
三連休と言うこともあり、流石に人だかりが出来ていました。流れの邪魔にならないようにしながら、感想なんかをメモりながらの鑑賞になったわけですが、やはり一人だと好みが先立ってしまい、かなり見落としがあった気がします。
というか、買ってきた写真集を眺めているのですが、館内で全く気づかなかった工夫を既に五六点見つけてしまい、己の眼力不足を嘆いている最中です。一緒に美術館に行ってくれる目利きの彼女が欲しい。
印象に残っているものをツラツラとあげると

若冲以外

  1. 丸山応挙「懸崖飛泉図屏風」
  2. 長沢芦雪「白象黒牛図屏風」
  3. 長沢芦雪「軍鶏図」
  4. 曽我二直庵「松鷹図屏風」
  5. 池観了「山水図」
  6. 伝曽我蕭白「唐人物図」

若冲

  1. 鳥獣花木図屏風
  2. 旭日雄鳥図
  3. 群鶴図
  4. 紫陽花双鶴図
  5. 鳥人物図屏風
  6. 鷲図

ちなみに私の中で屏風絵は、丸山応挙の懸崖飛泉図屏風がぶっちぎりで一番です。若冲のものは図案としてはいいのですが、屏風としてのおもしろさに欠けています。一方応挙のものは屏風として恐ろしく完成度が高く、この屏風が似合う家が欲しいと思わせてくれます。
館内お客さんのほとんどが、屏風を至近距離で只の絵画のように見ていますが、屏風はフレスコ画などと同様にある程度距離をとって、様々な角度から見ていろいろな表情を引き出してナンボです。
その観点からすると、大小二つに分かれた屏風の組み合わせを考慮に入れ、様々なモチーフを高度に組み合わせた応挙の飛泉図屏風は、この形式において最高水準に位置しており、人気があるのもうなずけます。

目玉の若冲ですが、やはり鶏が圧倒的に美しい。近年食用の鶏しか見ていない私にとって、信じられない程に迫ってきます。解剖学的に正確な描写、緻密な書き込み、ダイナミズムを内に秘めた眼。鷹や鷲よりも遙かに高貴な鳥がそこに描かれており、眼福でした。

なお、プライスコレクションにはないので展示されなかった若冲の作品が来年京都で展示されます。私はたぶん見られないのですが、素晴らしいものであると確信しています。

平成19年5/13-6/3 承天閣美術館若冲動植綵絵展」
http://www.shokoku-ji.or.jp/information/news/060715.html